所長ブログ

2012年12月17日 月曜日

同時死亡の推定とは    @相続、不動産登記のご相談は司法書士へ

民法第32条の2 に「同時死亡の推定」の条文があります。

同条は、「数人が死亡した場合に他の者の死亡後に、
なお生存していたことが明らかでないときは、同時に
死亡したものと推定する。」
としています。

このような場合には、法的には同時に死んだことになるのか
と思われることと思います。
この推定が、相続について影響する場合があります。

同時に死亡した者の間では、相続はしないことに
なるからです。

たとえば、親子が同時に死亡したと推定された場合、親子関係が
あるのにも関わらず、お互いに相続が開始されません。
したがって、亡くなった順番が判明しているときとでは、誰が
どれだけ相続するかが変わってくることになります。

このような相続関係があった場合(法定相続の場合)、
Aが亡くなった場合の相続人は      子C (2分の1)、子D(2分の1)
Cが亡くなった場合の相続人は      配偶者E (2分の1)、子F(2分の1)



AとCが同じ事故で亡くなった場合でも、Aが先に亡くなったことが判明
しているときは、
Aの相続財産は、子C (2分の1)、子D(2分の1)を相続し、その後
Cの相続財産(Aから相続した分を含む)を配偶者E (2分の1)、子F(2分の1)
が相続することになります。

この場合で、死亡の先後が判明せず、同時死亡の推定がされると、
Aの相続財産は、孫F(子C(2分の1)の代襲相続)、子D(2分の1)を相続し、
Cの相続財産は配偶者E (2分の1)、子F(2分の1)が相続します。


この同時死亡の推定は、あくまでも推定なので、何らかの証拠により
死亡の先後が明らかになれば、その推定が覆されることになり、死亡した
順に相続が開始されることになります。


    

相続・贈与、成年後見制度などに関するご相談は桑名市のなかむら司法書士事務所へお気軽に。

カレンダー

2013年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31